大人と一緒に入浴していながら、子供が浴槽内でおぼれる事故が多発していることが、東京消防庁の集計結果で明らかになった。そばで親が洗髪したり、先に出て着替えをしたり、タオルを取りに行ったりするわずか数分程度でも、深刻な事態につながっている。大人がそばにいながら、どうして悲惨な事故を防ぐことができなかったのか。予防策とともに、専門家に聞いた。
今年1月12日夜、札幌市内の温泉施設で、家族と入浴に来ていた男児(5)が浴槽内で死亡する事故が起きた。男児は母親と一緒に浴室にいたが、母親が目を離したわずかな時間に一人で浴槽に入ろうとして誤って水中に転落、おぼれたとみられる。周囲には母親ら大人がいたにもかかわらず、男児がおぼれていることに誰も気付かなかった。
東京消防庁が、平成18年1月から昨年末までに浴槽内でおぼれ救急車で搬送された管内の事故を集計したところ、10歳未満の子供が92人に上った。同時期にプールや川、海で水難事故にあった同年代の15人と比べ6倍も多い。92人のうち、1人は死亡、15人が重篤。年齢別では0歳児33人、1歳児37人で、合わせて全体の8割近くを占めている。
事故発生時の状況を調べると、大人が先に出て兄弟や自分の着替えをするため、浴室内に子供を一人にして離れている間に起きた事故が25人と最も多く、保護者らと一緒に入浴中だったにもかかわらずおぼれた子供も21人に上った。